設計図に書かれている内容がすべてではない 設計図に書かれている内容がすべてではない
弊社ホームページを閲覧下さり、誠にありがとうございます。私たちが行っている建築積算という業務は、クライアントから依頼された建築物に対して、どれくらいの資金が必要なのかを見積る作業で、予算策定や入札といった事業計画の中でも重要なプロセスとなります。そのため、設計図書に記載されている内容のまま、積算調書に数値を打ち込んでいくといった単純な作業ではなく、建築物の特徴やクライアントの想いをも汲み取り、見積書に反映していくことが求められる仕事です。大袈裟になりますが、翻訳家が外国の書籍を訳す際に逐語訳ではなく、その場の情景や登場人物の心象を考えながら言葉を重ねてゆくことに似ていると感じています。更にこの業務では、設計図書の内容の他に、施工計画も踏まえた上で、できる限り正確な数量、正確な単価を算出することが求められます。例えば、同じ資材でも大面積で一度に施工できる場合と、複雑な形状で施工が難しい場合では、当然単価が異なります。作業自体は四則計算の積み重ねですが、図面以外の様々な要素を見込んで、妥当な単価を設定できるようになり、なおかつ1人前として案件をまとめられるようになるのに、10年はかかるという業界です。
スピードと正確な見積が最重要となる スピードと正確な見積が最重要となる
業務の上で、まず求められるのがスピード。入札1か月前に依頼が来るのが普通ですが、数量算出に与えられるのは、通常で1週間から10日間くらい。そこから値入期間が2週間程と短いスケジュールの途中で設計図書の不明点を確認した質疑応答書が発行されます。この質疑応答も積算内容に反映しなければなりませんが、全体の作業が遅れることは厳禁。限られた時間の中で正確な数量、仕様と単価を計上することが大切になります。さらに重要なのは必ずチェックをすること。私たちはコンピューターではありませんから、途中のケアレスミスや思い込みによる間違いをすることは避けられません。そこで複数の人間がクロスチェックをすることで、最終的な工事見積書にミスがないよう仕上げていきます。
新入社員は、まず積算学校へ 新入社員は、まず積算学校へ
建築積算という仕事は、一般にはほとんど知られていないため、新卒の方には日本建築積算協会が主催する積算学校を受講して頂きます。5月からスタートし、週2回で半年間というカリキュラムとなり、卒業後は建築積算士の一次試験が免除。実務で覚えた事柄と講義で学んだ内容がリンクするので、短い期間ですがスキルが格段に向上します。それと、社外に同期の仲間ができるので、積算に対するモチベーションも高まります。もちろん費用は、会社で全額負担します。
必要とされるのは、楽をするために労を惜しまない習慣 必要とされるのは、楽をするために労を惜しまない習慣
ここまでに申し上げた仕事の内容から、計算の得意な人が黙々と作業を進めて行くというイメージを持たれるかもしれませんが、必ず複数人でのチーム作業となりますから、各担当者間の調整を図る能力も重要です。初めは上司からの指示で個々の作業をまとめて行くことが大切ですが、その期間は長くても数年。その後は案件の責任者として案件全体を見渡して、クライアントの求めていることを十分理解し、各担当者に適切な指示を出すことや、逆に各担当者からの問題提起を速やかに解決してその能力を100%引き出すことが業務の主体になるため、スムーズに進めるための前段取りや、間違いのない指示、情報伝達が大切です。その上で、まとめ担当者としての視点や価値観を見積書に+α出来れば最高ですね。近年の働き方改革により、昔に比べ仕事の内容も随分と変わってきましたが、一つ一つの仕事に取り組む時に「ここまででいいや」と妥協するのと、「これ以上は出来ない」ところまで頑張っておくのでは数年後、仕事の内容に大差が付いてきます。私自身、入社当初はそんなことは考えもせず目の前の仕事に七転八倒していたのですが、いつのまにかそういった習慣が身に付いてからは、仕事が随分とはかどるようになりました。このページをご覧の皆様も「楽をするために労を惜しまない」姿勢で物事に取り組んで欲しいと思います。最後になりますが、この業界は日本人がこの国でもの作りをする以上、絶対にニーズがなくならない業種です。ぜひ、私たち積算企業体の一員に加わって建築業界の一翼を担って行きませんか。
積算企業体担当者プロフィール
建設会社にて施工管理を経験後、1997年積算企業体入社。以後一貫して案件責任者として業務に携わり、現在では積算実務の技術担当責任者、人財採用の担当責任者及びOAシステム全般の担当責任者を兼任している。

SITE MAP  PRIVACY POLICY