たとえば数百枚の建築設計図を基に、実際にビルを建てようとする場合、どのくらいの金額で建てることができるのでしょうか。
それは、「工事価格○○億円」と提示されます。どうして○○億円という価格になるのでしょうか。
そこには必ず根拠があり、その価格になる理由があるのです。
その主体となる建築工事費は、設計図書を読み取り、数多くの数量と単価を一つ一つ積み重ね、考察を繰り返し行った結果、導かれるものなのです。
シンプルに言ってしまうと、それが私たちの仕事「建築積算」です。
つまり建築積算の持つ意味は「建築物の工事費用がどのくらいになるのか。」ということを導き出すことになります。
建築積算の作業手順はクライアントと一体となって、様々なプロセスを踏みます。
まず設計図書に基づき、建築するために必要な資材を拾い出します。
資材の数量を種類別に集計して、内訳明細書を作成します。
続いて、明細書の項目毎に対応する単価を設定し、金額を求めます。
その他に設備工事費や必要な経費を加えて工事見積書を完成させます。
実務レベルでは、広範囲な知識と高度な技術を要する仕事です。
建築において、「積算」は「設計」と「施工」を結ぶ重要な役割を担う業種です。
また建築積算士という資格制度のある専門技能職として広く認識されています。